読書ログ「バルミューダ 奇跡のデザイン経営」

  • 画像引用:amazonバルミューダ 奇跡のデザイン経営

    お洒落な家電製品の印象や、最近ではトースターでも有名なバルミューダ代表の寺尾さんの経営やデザインへのこだわり、創業前から現在までの経験が記載されていて非常に勉強になる本でした。

    経営とは計画性

    これまで読んできた書籍にも共通して書かれているのが経営は計画性ということ。
    この時期にこんな商品を開発したいのなら、いつまでに、どれだけの売上が必要か。
    「経営」と聞くと難しい印象を持つ方が多いが実はシンプルで、単純にいつまでに何をするのかが具体的に落とし込めているか。
    実はこれをやらない中小企業が多いと本書でも指摘されています。
    経営だけでなく、サービスレベルでも同じ事だと思います。
    例えばwebサービスでもランニングコストがどれくらいで、これだけの売り上げを上げるには、どれだけの集客や客単価が必要で・・・となります。

    「分解」がしっかりとできているか

    売上を構成しているものは何と何と何か、そしてそれはまたどんな風に分解できるか、この分解がどれだけ細かく丁寧にできるかが経営のポイントになるのは間違いないと思います。

    モノのスペックではなくユーザーの人生を考える

    一般的な大手家電メーカーは通常新しい製品を考える時スペックの向上に目を向けがちの中バルミューダはユーザーの生活、人生を考え新しい製品に必要なものに焦点を当てる。
    これがバルミューダの強みであり差別化の要因でもあると思います。
    そしてこの考え方こそがバルミューダのデザインの考え方そのものになっています。
    つまりモノが持つ機能からデザインまで一貫して統一がとれた製品ができるのはこの考え方があるからこそだと思います。

    バルミューダのデザインの強み

    「五感によって得られる良さ」を追及しているのはバルミューダのデザインの特徴であり強み。
    それを磨くために「観察」や普段感じる五感を刺激するものへの問いの発し方は当たり前の様に見えながらも普段見過ごしている部分が多いと本書を読みながら改めて感じさせられました。
    また、本書では

    「五感によって得られる良さ」は年月を経ても変わらない価値になるからだ。数字で表現できる機能や性能は、そうはいかない。

    と感覚的なデザインがもたらす持続的な価値へのこだわりが書かれてあり非常に勉強できる内容でした。

    まとめ

    2008年のリーマンショックの倒産危機から、どんな風に製品開発を行ってきたか、バルミューダ社のデザインとこだわり、考え方が勉強になる一冊でした。
    プロセスで見ると何度もプロトタイプを作ったりデザイン思考に似ていると思いますが、同社のエモーショナルにかけるデザインのこだわりはアップルの姿勢にも似ていると思いました。
    私が最も本書を読んで印象的な言葉だったのは

    「自分の好きなブランドが向こうからすり寄ってくる態度を見せてきたら、そのブランドを嫌いになる」

    という言葉。
    全てのブランドがそうではないですが、とても刺激を受けた言葉になりました。

    経営について詳しく書かれているというよりはバルミューダ社の歩みとこだわりを知る事で経営の大まかな概要がつかみ取れる内容でした。
    デザイナーであれば読んでおかなければならない本だと思います。

    amazonバルミューダ 奇跡のデザイン経営

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