人物を構成する情報設計は情報の順番が重要

  • 人物の情報設計

    どちらの人物が好きですか?

    アラン
    頭がいい、勤勉、直感的、批判的、頑固、嫉妬深い

    ベン
    嫉妬深い、頑固、批判的、直感的、勤勉、頭がいい

    引用:ダニエル カーネマン ファスト&スローより

    恐らく大抵の人はアランが好きという方が多いのではないでしょうか。
    記載されている情報はどちらも同じですが順番が異なるだけで印象の捉え方が変わります。
    最初の方にあげられた情報は後にあげられた情報の意味を変えてしまいます。
    頭が良くて頑固なのは十分な理由が考えられますが、嫉妬深くて頑固で頭がいいというのは危険と感じる人が多いと思います。
    つまり、第一印象で、できた文脈(コンテクスト)にあわせて後の情報は解釈されることになります。

    ハロー効果(halo effect)

    ある人の全てを、自分の目で確かめてもいないことまで含めて好ましく思う(または全てを嫌いになる)効果
    前述の好き、嫌いを判断する際、この効果の表れで、最初の情報の重みが増し、あとの情報はほとんど無視される効果です。
    これは人の評価をする際も同じで、その人が作った成果物が複数あった場合、最初の成果物で高評価をした場合、次の成果物が多少優れていなくても良い方向で解釈する。

    人物を説明する際は情報の順番に気をつける

    初対面の人に会った時、外見や喋り方などの情報で人物をどんな人なのか決めてしまう事が多くないですか?
    人物を説明する際や評価する際はこういった心理的な作用が発生することに注意しながら情報設計をする必要があります。

    順番といえばヒアリングやアンケートの際も次の様な順番で質問をするとバイアスがかかりやすくなってしまうとファストアンドスローに記載されています。

    バイアスがかかりずらい順番

    1. あなたは最近どのくらい幸せですか?
    2. あなたは先月何回デートしましたか?

    バイアスがかかりやすい順番

    1. あなたは先月何回デートしましたか?
    2. あなたは最近どのくらい幸せですか?

    バイアスがかかりやすい順番の方は最初の質問に心理的な要因を残して次の質問に答えてしまう。後の質問に影響されやすい状況を作り出してしまうということです。
    このやり方を利用する、若しくは避けることによってデザインする前のヒアリングの質も変わるかもしれないですね。

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