読書ログ「プロジェクト・デザイン・パターン」

  • 画像引用:amazon プロジェクト・デザイン・パターン
    本書のタイトルの「デザイン」とは広義のデザインを指していて、見た目の美しさについてのパターンが掲載されているということではないです。
    問題解決のアプローチ方法として32個のパターンのアプローチの方法がわかりやすく書いてあります。
    32個端的にまとめてあるので後から逆引きして利用する事も可能な本です。

    以下は私が考察を含めたポイントです。

    買い手の視点でなく実際に買って体験する

    著者の梶原さんはリクルートで新卒で入社してマンションを購入する時に買う側はどんな所を気にして購入するのか、買い手視点でなく実際にマンションを購入して本当に自分もその心境に身を置いて体験する事で問題解決のアプローチをしてらっしゃいます。
    よくweb上でも「ユーザー視点」と書いてあるのですが、ほとんどが主観である場合が多く、自分自身も梶原さんの様なデザインのアプローチは本当に素晴らしいと思っています。
    流石にマンションを購入する勇気はないですが、実際にサービスを体験する事は課題解決の大きなヒントを得る機会になります。

    「状況」「問題」「解決」「結果」

    凄くいい得ていると思ったのがこの表現。
    通常ほとんどの場合が「問題」「解決」というふうなアプローチで問題を解決した気になっている事が多いなーと思っています。
    本来は、お客様から「問題はこうなんです」と言われたら、その問題は本当に問題なのか考える必要があります。
    時にはそれをお客様にぶつけたり。この点が状況かと思います。
    状況を見て問題は本当に、それが問題なのかまず調査をする事が大事で、さらに短期的な目線で解決したとみるのではなく、しっかりと長期的に結果を見る事が必要だと自分自身思っています。
    本書を読んでいてこの部分など特に納得した部分でもありました。

    データは事実で情報は主観が含まれる

    「今日からはじめる情報設計」でも書かれていたのですが情報は主観になります。
    例えば「今日からはじめる情報設計」では「10人中8人の医者がお勧めしません」というのと「医者がお勧めしています」というのは同じである。情報の受け手によっては捉え方が変わる。」と記載されています。
    ネットに記載されている情報やメディアの情報もそうですが二次情報は、そういった主観が入っている可能性がある事を認識しないといけない。だからこそ、現場に行ったり実際に体験する事で事実を得る必要がある事が記載されています。
    これが前述の「状況」を知る事にもなると思っています。

    所感

    読んでいて、UX(ユーザーエクスペリエンス)の手法のアプローチと一致しているところが多いと思いました。
    実際に体験するところやビジネスモデルを考えるところなど、エスノグラフィーやビジネスモデルキャンバスなど。
    本書を読んでいて、デザイナーがビジネスを考え、それを形作るという、これまで作るだけにスポットがあたっていたところの流れが変わってきているというを改めて感じました。
    作るだけでなく成果を。デザイナーに必ず求められるスキルになってくるのだと思いました。

    amazon:プロジェクト・デザイン・パターン

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