「このサイトのデザインの雰囲気に合わせてデザインを作ってもらえれば」
数日後。
デザイン制作後に「デザインの意図を聞かせていただけますか?」
と言うことはよくあるのですが。

雰囲気だけを適用させたデザインに意図は全く無い状態に近いです。
なぜなら、デザインの意図はプロジェクトのゴールを決めて、
「ゴールを達成するためには、こんな事が必要」
「その為にはターゲットユーザーにこんな風に行動してもらいたい」
「ターゲットユーザーに行動してもらうためにはこんなデザインが必要」

というプロセスが必要になります。
つまりデザインの意図ができるのには下記のようなデザインプロセスが必要になります。

  1. 問題の調査(問題は何なのか)
  2. 問題解決の目的の共有(なぜ、その問題を解決するのか)
  3. 問題解決の為の戦略(どうやって問題を解決するのか)
  4. 問題解決のゴール決め(何を持って問題が解決したとするのか)

上記の内容をただ決めるのでなく、細かく落とし込まないとデザインのブレが大きくなります。
例えば、何となく「若い人に来てほしい」「女性客をもっと増やしたい」など、ぼんやりしたものでは具体的に何を改善すればいいかわからないからです。
わからないままにデザインを進めるとブレが大きくなります。

意図があるデザインと雰囲気だけを合わせたデザインのプロセスはどう違うのか?

ざっくりまとめると下記の様なデザインプロセスになります。
意図がないデザインにデザインレビューがないのは、この状態でレビューを行っても主観の話がほとんどになってしまう為です。
design_flow
まだまだ右側の意図のないデザイン(雰囲気だけつくる)がデザインという風に認識されている事が多く、デザインが持つ力がほとんど発揮されていない且つデザイナー自身も見た目だけを良くするのがデザインという認識の方もいらっしゃいます。
意図のないデザインを作成したデザイナーに意図を聞くと、深い意図を持った答えは返ってきません。なぜなら目的も戦略もないままに、ただ見た目を作っているからです。

デザインスキルと予算の違いによりアプローチの仕方が異なる

見た目を作るのにもスキルが必要ですが目的や戦略に沿ったデザインを作るのにはデザイナーとしてのスキルが更に必要になります。タスクが増える分、予算も雰囲気だけ合わせたデザインを作る時よりも増えますがしっかりとしたゴールができ、デザインの評価の軸ができます。
予算によるところもあると思いますが、しっかりとした戦略に沿ったデザインを作りたい場合はデザインのプロセスを一度確認する事でモノにお化粧をするだけのデザインなのか、目的や戦略にそったデザインなのか判別する事が可能です。