広告デザインに隠された戦術やデザインの意図などが詳しく書かれた本です。広告が人間にどういった心理状態を与え行動に移らせているのか書かれています。
デザインの心理的なアプローチは見た人は気づいていない事が多く、無意識に行動をしている事が多いです。でもその行動が実は広告によるものであったという事が非常に多いです。
例えば「単純接触効果」
本書でも取り上げられていて心理学の本では何度も登場する効果。単純接触効果は何度も見ているうちに信頼してまう効果。
例えばスーパーに出かけてよくテレビのCMで見る商品と、これまで一度も見た事がなく初めて見た商品ではテレビのCMで見る商品を無意識にカゴに入れている事はないでしょうか?
これがまさに単純接触効果で広告で得られた効果が働いています。
以下は特に自身が面白いと思ったポイントです。
フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアは小さな要求からスタートすることで、大きな要求を通す為の道筋をつけることで、最初に「いいよ!」と承認してしまう事で次に頼まれごとをした時も承認してしまう心理学的働き。
最初に承認した事で自分がした事に一貫性を保ちたい為に二度目も承認してしまうことで起きる。
確かに一度承認した事で、今更断るというのも・・・という事は多分にあると思います。
これは交渉でも同じですが、ただ二度目は下手すると厚かましいという印象を与えるだろうなと思います。
オールターキャスティング
人々に社会的役割をキャステイングすることで、その役割に期待されている行動をとらせる事ができるといったもの。
「あなたはいい人だね」と伝えると、その通りに動かざるえなくなる事はないでしょうか?
まさにこれがオールターキャスティング。デザインでは特定の社会的役割を連想させ見た人が自然な形で役割を果たす事が促される。
おとりの選択肢
2つの似たような商品を提供する場合、「おとりの選択肢」を加える事で、顧客が2つのうちの一方を選択するように仕向ける事ができること。
携帯料金のプランやカフェのサイズのS、M、LがまさにそれでSサイズを買うよりMとLであれば金額的にLの方がお得だからLを購入する様に仕向ける。Mがまさにおとり。2つよりも3つの選択肢を用意する事で意図的に選択を誘う確率を上げる事ができる手法。
まとめ
書かれてあると、あーなるほどと気づくものが多い内容の本でした。
それぐらい無意識に戦略にのせられて普段選択しているんだなあと思いました。
普段からなぜ手にとったのかと考えているのですが、この本を読んだ事で、なぜ手にとったのか更に視野が広く考えられる様になった気がしました。
広告デザインとタイトルにはあるのですがwebデザインなど他のデザインでも幅広く活きる内容だと思います。