読書ログ「論点思考」

  • 画像引用:amazon 論点思考
    問題解決を実行したが、改善の効果があまりなかった。という事は多くの人が経験していると思います。
    本書は問題解決を行う前の本当の問題は何なのか、つまり論点を定めるにはどうしたら良いのか、論点への絞り込み方などが書かれています。

    全ての問題を解決するのではなく論点を見つける

    論点とは解くべき問題のことで、多くの場合間違った問題を論点にして問題解決の実行を行うことが多いと本書では書かれています。
    これは社会人なら誰しもが経験したことがあると思うのですが、問題を見つけて問題解決にあたったけれども、ほとんど改善されなかったという経験をしたことがあると思うのですが、これが誤った論点の捉え方です。
    誤った論点で問題解決をしても時間の無駄に終わります。

    論点の導き出し方

    闇雲に全ての問題を調べるのではなく仮説を立て、絞り込んで調べる事が論点を導き出す。仮説を鋭くするのは「なぜ?」を繰り返して自問する。これが一つの方法でこの仮説は経験により鋭くなるものとしています。

    本来であれば論点を見つけることからしないといけないのに、残念なことに、ほとんどの企業は論点を見つけることをやらないで問題解決の実行に移ります。
    なぜなら論点を探さずに、お客様の言われた問題を解決した方が早く仕事が終わりお金が入るからです。そして企業はそれを生産性や売上のノルマ、納品高と紐付け評価へと繋げます。これでは正しく問題解決をしようとする人がいなくなります。
    問題解決を正しく行おうとする人は、「そもそもそれが本当の問題なのか」問題を見つけることから始めると言うことが広く認知されることを祈らんばかりです。

    聞く力と問いを立てる力

    自分なりに仮説や論点を探す力になると考えているのは「聞く力」と「問いを立てる力」だと思っています。
    「聞くなんて簡単だ」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、人間ほとんど聞くことに集中せずに聞いています。
    だから本当の問題が見つけづらいものだと思います。聞くことに集中できると、精度の高い問いが発せられます。
    そこから本当の問題は何なのか強固な仮説が得られると思います。

    一番重要な問題でなく解ける問題から解く

    本書では「一番重要な問題でなく解ける問題から解く」事がうまくいくことが多いと記されているのですが、先の論点の問題と繋げると話が複雑になりそうなんですが、図にして整理してみました。

    自分自身は大論点とは成すべきゴール。会社で言うと経営レベルの論点。それを実行するための計画。問題などが出てくる。それが部長などの視点の中論点。実行レベル、つまり現場視点の小論点に分けられ取り組みやすくインパクトが大きいものを選んで実行する事が問題解決がうまくいくことが多いと解釈しています。

    論点の決め方まとめ

    • まず与えられた問題を疑う事から始める。それは本当に問題なのか?
    • 論点は一見してわかる単なる問題点(現象・観察事実)ではない。
    • 誰の論点を解くかによってアプローチも答えも違ってくる。
    • さらに同一人物でも時と共に論点は変わる。ステージが変わる事で解決するべき論点が変わる。
    • その問題は解けるのか?解けるとどんないいことがあるのか?解けるとして実行可能か?
    • 大事なことは難問をクリアすることではなく成果を出す事が大事。
    • 解決できるか、できないかにこだわる
    • その問題を解決して会社にとってインパクトはどれくらいあるか?
    • 簡単に解け、容易に実行でき、実行すると大きな効果が短時間であられるのが「筋の良い」論点
    • 答えが出そうもない論点設定はしない
    • 会社は弱いところに症状がでるが、真の原因は別の所にある事が多い

    論点思考より

    所感

    論点の絞り込み方として非常に参考になった本でした。
    本書でも少し触れられているのですが、依頼者の方が「何が問題なのかわからないけど売り上げを上げて欲しい」という事はよくあります。
    「何かおいしいもの食べさせて」といった形で比喩されているのですが、こういう時も同じで、やはり「聞く力」と「問いを立てる力」このスキルによって論点が見えてくるのだろうと思います。

    amazon 論点思考

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