ビジュアルデザインを作成してステークホルダーがデザインをレビューする時によくある問題点とその対策について、準備ができている事は、なかなか少ないと思います。
実はビジュアルデザインを作るのと同じくらい、若しくはそれ以上にステークホルダーへからの批評の準備は大切です。
なぜなら、そのデザインのレビューでこれまで土台として作ってきた戦略や課題解決の方法が全て崩れてしまう可能性があるからです。
よく陥るデザインレビューのポイント
- 目的を忘れ、見た目だけの議論になる
- そのページのビジュアルデザインにだけ気を取られ「線」でなく「点」で考える
- 感覚的(主観)に批評をする
戦略を作成してからビジュアルデザインを作るまで期間が空いたり、空いていなくてもデザインレビューになると、これまでに作ったやるべき事などが忘れられていたりする事は多分にあります。
これらを踏まえたうえで、無駄な議論や時間を費やさない為にもデザイナーが
デザインレビューの際にあると良いもの
目的、課題、戦略をまとめたもの
何が課題で何をする事が目的なのか指標を含め戦略がデザインレビューをする際に必ず目に見える所にあると効率的にレビューが行いやすくなると思います。
レビューする際にルールを作り共有しておくのも忘れずにやっておきたいことです。
ここまでレビューの際に準備する理由というのは、「ビジュアルデザインは専門的な知識がなくても誰でも意見が述べれる」からです。
こんなことを書くとデザインレビューのルールを作成する事は自由な意見を無くすものと見られてしまいがちですが、そうではなくビジュアルデザインは誰にでも何でも意見が言えるので、しっかりと目的に沿って効率的にレビューを行えるようにするのが目的です。
デザインレビューはレビューであってブレストではないという共通の認識を持つ必要があります。もちろんビジュアルデザインの精度によってはイテレーションを見込んでブレストに近いものもあると思います。
「何となくいいよね!」とか個人的な主観は全く必要ないわけではないのですが、ほとんどが蛇足的なものが多いです。
より効率的なレビューを行えるようにレビューのルール共有は必要です。
ユーザーの利用状況を踏まえたシナリオ
ビジュアルデザインを作成すると、その見た目のレビューになる事が多くユーザーの行動の全体を見た俯瞰的な視点が抜けがちです。
webデザインのレビューで言えば、トップページのデザインが完成したらトップページのみのレビューを行う。
ユーザーの行動は点ではなく線なので、これではなかなか良いデザインの議論ができません。
ユーザーは最終的に何をすることがゴールなのか、そのゴールまでのシナリオを作成することで点ではなく線の視点でデザインを見ることができます。
ステークホルダーのアイデアやレビューをすぐにメモできるものを用意する
デザインの媒体が紙の場合は実際に紙に印刷してレビューを行うと思いますが、webデザインの場合デバイス(PCやスマートフォン)など閲覧デバイスで確認すると思います。
webデザインの場合当然紙で見ることはほとんどないのでデバイスで確認するのが、あたりまえなのですが直ぐに指定の箇所にメモができるかというと紙に直接手で書くのと比べるとやはりスピードが落ちます。
色んなアイデアを取りこぼさずに後で俯瞰してデザインを見る際にも確認してもらうのは各デバイスであってもメモするものはwebデザインであっても紙に印刷して直接メモを残した方がスムーズにデザインレビューが進行できます。
紙にデザインを印刷することで直接図を描いたりすることが可能になり、視覚的にイメージがつかみやすくなります。
デザインレビューはルールを作らないと意見がとめどなく出る
エンジニアのコードレビューなどと違って専門知識がなくてもビジュアルデザインのレビューは誰でも意見が言えます。
これは良い面も悪い面もありデザインレビューのルールがなければ一番の決裁権を持った人の一声で例えそれが理にかなったデザインであっても一瞬で崩れます。
これはビジュアルデザインに対する意思決定の材料がそれぞれでバラバラだから起きるものです。
デザイナーはこの意思決定の材料まで作成することが自分が作成したデザインをステークホルダーに適切に伝えるための一つの手段になると考えます。