ECの売上の定石

ECの売上の定石は「客数」×「購入率」×「客単価」という定石があります。
お客様の現状はどうなのか分析して「客数」「購入率」「客単価」どこに力を入れるべきかを決めるわけですが、例えばアクセス数が少なければ客数(集客)に力をいれなければいけません。
ECのビジュアルデザインと見た時に最もビジュアルデザインが関わる割合が大きいところを見た場合「購入率」です。
購入率は情報や商品の探しやすさ、適切な情報の提供、キャンペーン、口コミ、ビジュアルといったもので向上したりします。
今回は「探しやすさ」「適切な情報の提供」「ビジュアル」について、どんな風にヒアリングしてデザインに落とし込みをすればいいのかまとめました。

探しやすさとは

ユーザーが目的の情報、商品にストレスなくアクセスできること

全てのユーザーの全ての購入シーンをカバーするのは結果的に情報が多くなり探しづらくなります。
どうすればユーザーが探しやすくなるかをヒアリング。
「直接ブランド名や商品名を検索ボックスに入力する」やり方が最も探しやすい場合や「複数の条件を選択する」やり方など最適な探しやすさを分析します。
「この商品だったらどんなシーンでどんな検索をすることが多いのか?」ECで扱う商品をヒアリングしたり、どんな情報を比較したりするのかをヒアリングすることで、本来商品詳細ページに載せる情報を商品一覧ページで簡易的に見せる事で比較をしやすくしたりする事が可能です。
この情報をもとにUIを検討したりします。
目的の情報というのはシーンやユーザーによって情報の優先度が変わります。そのあたりを注意してヒアリングします。

どういうシーンでどんな人がどんな切り口で検索で検索するのか

競合他社も検討し「このシーンは取りに行く」「このシーンは諦める」など優先度をつけます。
想像したシーン全てを、自分たちのECで網羅的に獲得しようとするのは無謀です。
それでは戦略のない戦い方になります。
この考え方はどんなコンテンツを用意すれば良いかといったコンテンツ作成のヒントにもなります。

適切な情報提供とは

購入するきっかけとなる情報(コンテンツ)

購入シーンを考え、どんな情報が必要になるのか。
情報といっても文字だけでなく、どんな写真があるとわかりやすいのかを考えながらヒアリングします。
購入する際に気にするポイントは何なのか、例えば雑貨や家具であればサイズはほとんどといっていいほど気にしますが、この時にサイズだけを文字にするだけでなく、人の体の一部(例えば手)が入る事で文字よりも瞬時におおよそのサイズがつかめます。
基本的に購入意欲がかなり高くないと文字を全て読むユーザーは少ないと思います。
文字より写真の方が伝える情報量は多いです。

これまでのユーザーの購入するきっかけを聞いたりする

特徴や強みを聞くのも一つのポイントになります。ただ特徴や強みというのはユーザーにとってわかりづらい表現のものも多くあります。
どうすればそれがユーザーに伝わりやすい表現に落とし込めるかまで考えられると良いと思います。

ビジュアル

サイト全体の雰囲気、つまり「らしさ」の表現。
ビジュアルが購入率にどう影響するかというと、最も大きいのは信頼できるかできないか。
サイトのビジュアルを見て、「大丈夫かな?」と感じるとECでは特にお金を払うのでユーザーは不安があると購入するのをためらいます。
すでにブランドの世界観がある場合はそのトーンにあわせてデザインを作っていくので、デザインのズレは発生しづらいのですが、それがない場合はヒアリングでトーンを作る必要があります。
その際は高級感やシンプルといったキーワードを基にすり合わせを行いますが、キーワードだけでは認識のズレが発生しやすくなります。
そこで、キーワードとイメージを合わせてヒアリングを行うとズレを抑える事ができます。例えばここのサイトのこんな感じ
など。
逆にこのイメージは違うなどというところもヒアリングで押さえておくと良いと思います。

どんなお店にしたいかではなく、どんな風に売っていくか

わりとヒアリングの聞き方で多いのが、どんなお店にしたいですかという方向でヒアリングをしてしまうこと。
この聞き方は実店舗のデザインではユーザーは五感を通してサービスを体験できるので良いのですがネットでは影響範囲が限られる為こういう聞き方は向いていません。
ですのでヒアリングする場合は、どんな風にな作りにしておけば、売上があがる運営がやりやすくなるのかといった視点でヒアリングを行うと良いです。
実際の実店舗のお店の店員になったと想像するとヒアリングもしやすくなると思います。
例えば、本を売る時であれば目立たせたい本は表紙が見えるように配置しますが、そうでない場合は横のタイトルだけが見る状態で棚に並べますよね。
スーパーの商品の陳列でも什器の下の方には子どもが手がとどくような商品を置いてますよね。
ECもそういう視点で考えると実りのあるヒアリングができると思います。