画像引用:amazon プロフェッショナル・ネゴシエーターの頭の中―「決まる!」7つの交渉術
kindle本で日替わりの際、かなり値段が下がっていてレビューが高かったので試しに買ってみた本なんですがM&Aの際の交渉術に関して書いてある本なので、「売り手」と「買い手」という立場という視点でも勉強になる本でした。
惚れた方が交渉は弱い立場
当たり前ですが、営業の方(売り手)が「買ってくれ」という立場であれば営業の方の方が弱い立場になります。
一方で消費者(書いて)の方が「欲しい」といった場合消費者の方が弱い立場になるということ。
先に惚れた方が負けというのに近いと思うのですが、要するに企業側のサービスやプロダクトが強いと欲しいと思わせる事ができやすく売り手の方は売りやすい環境を作りやすくなる。
AppleのiPhoneは買い手側が発表前から「欲しい」と思わせる、まさに惚れさせるプロダクトではないかと思います。
そういった意味ではAppleは交渉の強い立場にいる為、値下げせずとも売れます。
先に惚れた方が負けという事を考えると対等な交渉はないかと思います。
だからといって交渉力が強い方が何でも条件を出せば良いのではなく誠実に対応する事が大事と思います。
なぜなら売り手と買い手は売って終わり買って終わりではなく、そこからが始まりだからです。
良い交渉とは双方の信頼感が醸成されること
交渉が決まればOKではなく合意に至らなくても、信頼感を得る事が大事。
無茶苦茶な交渉に至れば今後一切取引がなくなります。
交渉上強い立場にいても、信頼を崩す様な交渉をすれば後々弱い立場になります。
以下は本書に記載してある信頼を築く為のポイントです。
信頼関係を築くポイント
- 言った事を守る
- 情報を開示する
- 相手の立場を尊重・理解し、利益を得たらお返しする
- 共通の利害について話す
- 好感を持たれる
- 権威と評判を活用する
「相手の立場を尊重・理解し、利益を得たらお返しする」に関しては信頼感を得る際に特に重要なポイントかと思います。
例えば交渉相手がなぜ、そういう主張をするのか全く理解できない時があります。
その時になぜそんな事をいうのかまず相手の主張の理由を聞いて納得する事。そうでないと後々お互いに不信感が残るからです。
好きという感情は信頼を得るのには強力
これは親子関係や恋愛などでもそうだと思いますが、「好き」という感情は信頼を得られやすいポイントです。
交渉をしてはいけない相手
当たり前なんですが、まとめられていると改めてなるほどなーと思いました。
そうは言っても営業という立場になると組織に属していれば目標がある為、下記の事にあてはまるから交渉を辞めるという訳にもいかないのかとも思いました。
逆に
- 信頼関係を築く気がない人
- 約束を守らない人
- 自分の利益しか考えない人
- 根幹の部分で考え方が合わない人
- 都合が悪い時は連絡が取れなくなる人
- 常識がない人
恩恵の価値
経験のある事だから余計になるほどなーと思った事なんですが
「恩恵を受けた側の人は受けた直後は恩恵の価値を高くみて時間が経つにつれて価値を低く見る様になる」
一方で恩恵を与えた側の人はこれとは正反対で「与えた直後は恩恵の価値を低く見ていたのに時間が経つにつれ自分が相手にしてあげた事の価値を高く見る」
といったもの。心理学的にこういった結果がでているみたいです。
これが交渉でどう影響するかというと、恩恵を与えた側は時間が経つにつれ大きな妥協を求めるようになるということ。
人間の心理は面白いなーと思った箇所でした。
まとめ
全体的に人の心理を読んで交渉をするといった事が多く書かれていた本でした。
読んでいて「あーなるほど」といった実際の経験と重なる事が多く共感が得られる内容でした。
営業力のある人の特徴がわかる本でもありました。