読書ログ「仮説思考」

  • 画像引用:amazon「仮説思考」

    課題に対する分析に時間をかけて、その解決策を考えるのが一般的に多いやり方だと思いますが、本書では分析をするのではなく最初に課題に対する仮説(こうではないか?)を作り、その仮説が正しいかどうかを分析して課題を解決していく考え方が書かれています。
    このやり方の最大のメリットは課題解決までの時間が削減できることです。

    仮説思考

    上記の図にある様にまず分析などをせずに課題に対して仮説(こうではないか?)を先に作ります。
    当然、的外れなもので仮説を作っては時間の無駄になるので、ある程度の経験が必要になります。経験が多いほど仮説の精度が上がります。
    その後、分析を行いますが仮説を作っているので、それに対する答え合わせ(正しいかどうか)という視点で分析を行います。
    分析の際も多くの情報を探すのでなく今ある選択肢を如何に絞り込むかという視点で情報収集を行います。
    ですので一般的な課題解決にかける分析の時間より時間が削減できるメリットがあります。
    本書ではこれは医師の診療と似ていると表現しています。
    例えば腹痛が起きた場合、暴飲暴食なのか盲腸なのか胃潰瘍なのか胃がんなのか数多く病気はありますが、これまでの経験より最初に「こうではないか?」という仮説を立て、それを基に検査(分析)していくプロセスが似ていると比喩しています。

    仮説構築のインタビュー

    UXデザインのユーザーインタビューでも、そうなんですがインタビューする前に何の情報が足りなくてインタビューで、どういう情報を得る事が目的とするのか理解していないと、大きく的外れな質問をしたり結果的に役に立たない情報を収集して終わってしまいます。
    本書でも同じ点を指摘していて、且つインタビューメモの定量化を勧めています。

    インタビューメモの定量化

    インタビューメモの定量化とは例えば「売り上げが上がった」などの発言があった場合、何円あがったのか、何パーセント上がったのかなど踏み込んで聞く事。デプスインタビューと同じです。

    人は決まったものの見方をする

    アブラハム・マズローの名言「ハンマーしか持っていないときは、すべての問題が釘のように見える。」にもあるように人間は決まったものの見方をする様になっていて、それが新しい仮説を阻害する要因になると本書では記されていてます。
    そこで以下の三つの方法がまとめられています。

    反対側から見る

    例えば企業側の課題であればユーザー側の視点で考えるというやり方。
    これはデザイナーであれば当然のごとく行う考え方だと思うので、むしろ企業側の考え方をデザイナーであれば考えたほうが良いと思います。

    両極端に振って考える

    例えば経営側に問題があれば現場視点で考えるとういやり方。
    上述の反対側から見ると表現はにていますが、恐らくこちらの方は課題に対しての反対という意味で上述よりは狭い範囲の反対になると思います。大きさであれば小さいデフレであれば逆に高く売るといった考え方。

    ゼロベースで考える

    これは論点思考でもあった、課題を抽象化、構造化し他の所からアイデアを借りるやり方に似ていると思います。
    つまり、全く関係のない所からアイデアを借りて課題を解決するやり方。

    所感

    本書で最も刺激を受けたところはこの記事の最初に記載した、仮説の作り方でした。
    通常は分析から入る事が多いなかで、最初に「こうではないか?」というものを基に答え合わせを行うように分析を行うやり方は面白かったです。
    また、今の時代は何でもそうですが如何に早く課題を解決できるか。全ての課題を解決するのではなくコアとなる課題を解決する。
    その為の基準として企業側にインパクトがあり、且つ課題解決が実行できるものを選ぶ。
    時間が変われば課題も変わる。意思決定や実行のスピードの大事さを改めてしる本でした。

    amazon:「仮説思考」

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