今、世界で注目され、世界シェアNo.1のECサイト制作プラットフォーム「Shopify」。元々カナダ発のサービスなので、「ここはどうなの?」といった箇所が少なからずあります。
今回は初めてShopifyを利用するという方向けにサービスを利用する前に理解しておきたいポイントをまとめました。
この記事でわかること
- Shopifyとは?
- ラベルが直訳すぎて日本語がギコチナイ箇所がある。
- お問い合わせフォームに確認画面がなく、自動返信メールがない。
- 特定商取引法のページがない。
- 代引き手数料を含めた金額を決済画面で表示できない。
- JCBカードを利用できるようにするには別途クレジットカード決済代行会社の契約が必要。
- アプリは多くあるが基本的には有料プランでないと使いづらいものが多い。
- 注文確認メールが部分的に英語表記の箇所がある。
- 建物名、部屋番号が初期値は必須入力になっている。
- 実際に利用してみての所感
Shopifyとは?
簡単に似たようなもので表現するとwordpressのEC版と考えるとわかりやすいです。
例えばネットショップの売上が伸びてきて、効率化したい場合や機能を追加したい場合wordpressでいうプラグインのようにShopifyでは「アプリ」が豊富にあり簡単に機能を追加する事が可能です。
クラウド型サービスなので、ソフトウェアやサーバーのアップグレードやメンテナンスを考える必要がないのもメリットです。
つまり自社のネットショップが常に最新の状態でいられます。
Shopifyの特徴
- 多言語対応なので越境ECに向いている
- ECだけでなくブログもあるのでコンテンツを作成して集客するツールとしても活用可能
- 決済手数料が安い。3.25%〜
- 決済方法が豊富。amazonペイやAppleペイ、コンビニ払いなどほぼ、ほとんどの決済方法に対応可能。
- デザインは自由自在に変更可能。HTMLやCSSの知識がなくてもドラッグドロップで各ページのセクションの移動が可能。
- 注文確認メールなど全てHTMLメールでわかりやすい。HTMLメールのテンプレートも編集可能
ラベルが直訳すぎて日本語がギコチナイ箇所がある。
翻訳者が日本のECをあまり利用した経験がないのか、一般的に利用されるECのラベルと比べると見慣れない言葉で表現されている事があります。
例えばカートページの見出しなど「あなたのカート」と見出しが表示されていたり、copyrightは「著作権」となっていたり、配送状況も「フルフィルメントの状況」とあったり「フルフィルメントされた日付」というのもあったり業界人でないとわかりづらい言葉で表現されてある事があります。
ただ、Shopifyはこういったラベルが変数として定義されてあり、「管理画面」→「テーマ」→「カスタマイズ」→「テーマアクション」→「言語を編集する」から変更可能で一括してラベルを変更する事が可能です。
お問い合わせフォームに確認画面がなく、自動返信メールがない。
Shopifyではお問い合わせフォームが用意されているのですが、デフォルトのお問い合わせでは氏名、メールアドレス、電話番号、お問い合わせ内容のみとなっていて、必要最低限のお問い合わせ項目となっています。
注意したいのが下記2点
- お問い合わせ項目入力後、確認画面がなく送信完了となる。
- 入力後、自動返信メールはない。管理者にはメールが飛ぶ。
お問い合わせフォームで確認画面がないのは、サイトによってはあったりしますが、お問い合わせ後の自動返信メールがないのは日本では少ない方だと思います。
ただ、Shopifyはフォームアプリも多くあるので、それを利用して変更は可能です。無料のものは制限が多いので、有料プランを利用する事がほとんどです。
特定商取引法のページがない。
日本国内のECサービスでしたら会社名や住所、電話番号などを入力すると、その情報を利用して勝手に特定商取引法のページが作成される事が多いですが、Shopifyでは特定商取引法のページはありません。ページ作成機能があるので、それを利用して作成する事が可能です。ただ、HTMLやCSSなどの知識がないと表組の見た目などはできないので、文字だけの少しわかりづらいページになります。
代引き手数料を含めた金額を決済画面で表示できない。
代引き手数料の金額を入力する項目がないため、決済画面で代引き手数料を除いた金額で表示されます。決済方法で「代引き」を選んだ際に注意書きを表示することは可能なので、そこに代引き手数料の金額を表示する様にしておく事は可能です。
下記イメージの様にCODは代引きの事ですが完全に日本語化されていない箇所があります。
JCBカードを利用できるようにするには別途クレジットカード決済代行会社の契約が必要。
ターゲットユーザーによっては、そこまで気にしなくても良いかもしれませんが、Shopifyでデフォルトで利用できるShopifyペイメントではVisa、Mastercard、American ExpressでJCBは利用できません。別途komojuという決済代行会社と契約を行う必要があります。
ただ、Shopifyペイメントは決済手数料が3.25%〜3.4%で現時点では国内最安値だと思います。決済代行会社によっては商品が全く売れなくても最低手数料が必要な会社もありますので、そうした点を考慮するとShopifyペイメントは割安です。ECのプラットフォームを選ぶ際は月額の料金だけでなく、決済手数料も加味して選ぶと良いです。
ちなみにShopifyペイメントはクレジットカード決済を導入する際の審査がないので、すぐにECサイトを公開する必要がある場合はこのあたりもかなりのメリットになると思います。
アプリは多くあるが基本的には有料プランでないと使いづらいものが多い。
Shopifyアプリは、とても数多くあるのですが、基本的に英語のアプリが多いです。また、無料のもは、やはり制限が多く、例えばお問い合わせフォームで入力項目をカスタマイズするアプリなどでは項目入力後、画像認証が必ず表示されたりなどがあります。この画像認証を外すには有料プランでないといけないなど。アプリは数多くありますが、基本的に有料であると認識しておくと良いです。
注文確認メールが部分的に英語表記の箇所がある。
購入後に自動的にお客様に送られる注文確認メールでお客様が選ばれた決済方法部分が英語表記のまま表示されます。例えば銀行振込は「Bank Deposit」代引きは「Cash on Delivery (COD)」と表示されます。メール文面の変更画面がありますが決済方法毎に表示を出しわけする必要があるのでif文や変数などを駆使して記載する必要があります。
建物名、部屋番号が初期値は必須入力になっている。
Shopifyではデフォルトで建物名、部屋番号が必須になっています。当然入力しなければ購入できません。管理画面で必須解除はすぐにできるので忘れずに変更しましょう。
実際にShopifyを利用してみての所感
管理者(運営者)がこれまでにECで販売の経験がある方であればランニングコストも割安なのでおすすめだと思います。
しかし、これまでECで販売の経験がないという管理者(運営者)の方はあまり向かないと思いました。
理由としては日本語に翻訳されているとはいえ、英語のままの部分もあるので、そのあたりに時間を取られる可能性が高いと思います。
また、サポート体制が基本的にはメールなので電話でのサポートを求められる方は厳しいというのが、これまでECで販売の経験がないという管理者(運営者)の方はあまり向かないという理由です。