読書ログ「対話型ファシリテーションの手ほどき」

  • 対話型ファシリテーションの手ほどきイメージ

    本の概要

    よく「なぜ?」を繰り返すことで物事の本質にたどり着けるとあるが、対人の場合「なぜ?」を繰り返すだけではうまくいかない。
    人に質問をする時オープンクエスチョンで「どうだった?」と聞いたりすることもありますが、本書はその「なぜ?」「どうだった?」ではなく、他のアプローチで人が本音を話しやすい質問の手法が、これまでの著者の経験を踏まえて記載されています。

    why(なぜ)を避けwhen(いつ) where(どこで) who(誰が) what(何を)の4つに置き換えて質問をする

    これについては後にも出てきますが、人間は都合のいいように解釈するので「なぜ?」と聞かれた場合、本音を話さない時があります。
    特に自分にとって悪い結果などを話す場合などは特に。

    どうでした?も使わない

    どうでした?という質問は質問者は簡単に問いを立てれるが答える側は、どう答えればよいのか困惑してしまう面倒な質問になる。
    答える側は質問者の意図がわからないので、どう答えてよいかわからない為無難な回答になりがち。
    結局は質問者側の誠意が足りないとこの質問になるのかと思います。
    本当に引き出したいものがあるのであれば答える側の環境を理解し具体的な質問を投げかけることができる。

    問題は何ですか?と決して尋ねない

    問題は何ですか?と尋ねるのは相手の意見や考え方を聞くのと同じで事実ではない事が多い。
    問題は何かを理解する為に事実質問をして問題を探っていく。
    本書の例

    1. 朝ごはんは何が好きですか?(相手の好み感情を尋ねる)
    2. 朝ごはんにはいつも何を食べますか?(相手の考え方)
    3. 今朝は何を食べましたか?(事実を尋ねる質問)

    事実質問で回答者以外の登場人物が登場した場合その登場人物に直接聞く事がポイント。
    当事者でないと事実ではない回答になりやすい為。

    それは本当に問題か?

    「○○の問題で困っている」など語り始めたら「一番最近、誰がどう困ったか?」を尋ねる。
    「それを解決する為にどんな努力をこれまでしてきたか」を聞く。
    これにより本当に問題なのかを確かめる事ができる。

    人は都合のいいように解釈する

    自分自身の問題の原因を分析する場合、よい結果、望ましい出来事については自分の努力や能力という要因にし、逆に悪い結果、望ましくない悪い結果については外部環境や他人のせいにしたがる。
    だから「なぜ?」「どうして?」と聞くと物事の本質にたどり着けなくなりやすい。

    本書の例

    「なぜお子さんに朝ごはんをきちんと食べさせないのですか?」
    「子どもがはやく起きないからです」(外部環境のせい)

    所感

    これまでトヨタ生産方式の「なぜ?」が有効なのは、わかっていたのですが、対面でのコミュニケーションでなぜ?を使用するは違和感を感じていたのですが本書を読んで違和感の意味が明確になりました。
    改めてインタビューの難しさに触れ、コミュニケーションのスキルアップの足掛けになる本でした。

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