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本の概要
シンプルに簡潔にまとめると組織作りなどに参考になる本です。
高いクオリティのサービスを属人化せず社員全員が同じクオリティで提供できる仕組を徹底的にマニュアル化して業績を回復していった事が描かれています。
マニュアルも作って終わりでなく常に変化があれば更新し、変化に耐えれるように作っていたり、マニュアルの内容には必ず「なぜ?」その仕事をするのかなど、目的を伝えて、仕事の全体像を俯瞰できるようにしているのが伺えました。
仕事のマニュアル化と言うと聞こえが悪く聞こえますが、組織全体がマニュアルを作って終わりにせず常に「マニュアルを更新する」という考えで改善に目が向けれるように自然にできている印象を受けました。
読書からの考察
マニュアルは仕事の本質を見直せる
マニュアルをつくる段階で、普段何気なくしている作業を見直せる。
たとえば、時間が足りないからと毎日のように残業をしているのなら……本当に時間が足りないのか。
もしかしたら、自分では必要だと思っている作業に、ムダがあるのではないか。
そうやって自分の仕事を改めて考えるうちに、「どのように働くべきか」「何のために働くべきなのか」という仕事の本質に近づけるようになる。
ただ、これもまた何のためにマニュアルを作るのかをしっかりとやっている前提でないと作るだけで終わってしまう人もいると思います。
何でもそうですが、作ることが目的になってしまっているというのは往々にしてあると思います。
誰にでもわかるようにするためには、いい例と悪い例を紹介する
これも根本的には良いのは「なぜ?」なのか、悪いのは「なぜ?」なのか「なぜ?」というところが端的に表現できているからわかりやすいのだと思います。
読む人によって判断軸がぶれないようにする一つの手段でもあるのではないかと。
目的を最初に伝えると、仕事の全体像を俯瞰できる
どんな仕事でも同じだと思いますが、自分の仕事がどういう状況のどの部分を担っていると認識して仕事をするのと自分の仕事範囲だけで考えるのでは視野の広さ、つまり改善方法を考える引き出しの数が異なってくると思います。
常に自分の知っていることがすべてではない、という謙虚な気持ちを持ち続ける
「同質の人間同士がいくら議論をしても、新しい知恵は出てこない」と本書では記載されています。
職種や環境によって色んなアイデアが出てくるのと同じように主観やバイアスをかけない為にも社外や異なるスキルを持った人に話を聞くことでリフレーミングをしやすい環境を作っているのかなと考察しました。
部下のモチベーションを上げチームや部署全体の士気を上げるには
給料を上げることが一つの方法ではあるが一時的にモチベーションが高まるだけで、持続させることはできない。
部下のモチベーションを上げ、チームや部署全体の士気を上げるのに必要なポイントは二つ。
やりがいを与えること、そして、コミュニケーション。
簡単そうに見えるんですが業務とチームの軸で結び付けられる「やりがい」を見つけるのは割と難しいのではと思います。
その上での理解を深めるためのコミュニケーションだとは思いますが。
本書に記載されている「やりがいとは、目に見える数値や金額だけで生まれるものではありません。目に見えない喜びや感動にこそ、価値があるのです。部下のモチベーションが上がらないのなら、自分たちが満足できる商品やサービスを提供しているのか、再確認してみるべきでしょう。」
この言葉が一番本質をついていると思います。
所感
無印良品の全盛期から停滞期、そこからの回復までの組織の変革、働く人の心境や大企業病がどんな風に業務に影響していったかなどが書かれていて面白い本でした。
リーダーは、「努力をすれば結果を出せる仕組み」を考えなければならない。という言葉がとても印象的でした。
ちなみに無印良品のアートディレクションは原研哉さんがされています。
amazon:無印良品は仕組みが9割