多数決によるデザインの改悪

  • 多数決によるデザインの改悪イメージ

    ロゴの応募やデザインのコンペでよくある多数決によるデザインの意思決定。
    しっかりと作り込まれた目的や戦略が作成されたうえでの多数決によるデザインの意思決定が行われれば良いのですが多くが目的や戦略が曖昧で個々人の中で思い込んだもので判断が下される場合がほとんどです。

    よくある多数決によるデザインの意思決定

    1. 意思決定のステークホルダーにデザイナーがいない
    2. デザインを作成するまでに依頼者とのコミュニケーションがない
    3. デザインのイテレーションが少ない
    4. 目的や戦略の共有が曖昧

    意思決定のステークホルダーにデザイナーがいない

    これはコンペだけでなく通常の意思決定の際など日常できにあるのですが、何かしらのデザインを決める際にデザイナーの意見なしにデザインが決まることがあります。
    デザインを決める際にデザインの専門家がいないというのは、後になってデザインが破綻していく事が多くあります。
    例えば、ロゴであれば小さなものに印刷するとなった時に潰れずに耐えられるロゴなのか、ビジュアルであれば他にどういった表現があるのかなどデザイナーが意思決定の場にいる事で、よりクオリティの高いデザインができます。
    ただ、デザイナーのスキルによっては見た目を作るのみで終わるデザイナーもいます。

    デザインを作成するまでに依頼者とのコミュニケーションがない

    コンペの場合に最も多いのですが提案依頼書のみでデザインを応募するものです。
    提案依頼書のみでは、本質的な課題を見つける事はできない事が多いです。
    提案依頼書の場合、ほとんどがこの課題に対して解決案を提案してくださいというものなのでコミュニケーションがない限り、「言われたものを作った。」と御用聞きの内容で終わることになります。
    デザインで最も大事なのはアウトプットされたデザインでなく、依頼者とのコミュニケーションです。依頼者とのコミュニケーションが密にあって、目的や戦略に沿ったアウトプットができます。

    デザインのイテレーションが少ない

    多数決によるデザインの意思決定のデザインはある程度作りこまれたデザインを要求されます。
    コンペなどは特に選ばれるためにといった形で細部まで作り込んだデザインを要求される場合があります。
    これは前述のコミュニケーションの量と重なりますが、どれだけ早い段階で目に見える形のものが作れるかによって後々のデザインのクオリティに影響されます。
    成功への近道は、どれだけ小さな失敗を早めに認識できるかです。早めに小さな失敗をする事で早めに軌道修正ができます。
    コミュニケーションの量が多いとデザインのイテレーションも細めに可能です。

    目的や戦略が曖昧

    文章だけの目的や戦略ではコミュニケーションが一方向だけになり、深堀がしづらい環境になります。
    なぜ、その目的を達成する事に至ったのか、なぜ、その戦略なのか目的や戦略に至る前の過程にデザインのクオリティをあげるデザインの意図があります。
    その部分が曖昧であればあるほどデザインの意図は浅はかな意図になります。

    多数決によるデザインの意思決定は責任の所在の丸投げ

    基本的に多数決によるデザインの意思決定は責任を分散させる事が多く、本当に良いデザインというものは生まれづらいです。
    みなさんがご存知の有名なロゴやデザインで多数決によって決められたデザインで息の長いものがありますか?
    ほとんど思い浮かばないはずです。それはやはりコミュニケーションの量が少なかったり、目的や戦略の共有が曖昧である事が起因している事がほとんどだからです。
    もちろん、多数決のデザインの意思決定に関わらずコミュニケーションの量が少ない、目的や戦略の共有が曖昧であれば同じ結果になります。
    ですのでデザイナーに仕事を依頼する時には、アウトプットのクオリティだけでなく前述してあるコミュニケーションがとりやすく、経営や戦略に詳しいなどの視点でみて一人の信頼できるデザイナーにお願いするのもデザイナーを選ぶ際の基準にできるのではないかと思います。
    広く応募をかけて多数決でデザインを決めるのも手段の一つですが、メリット、デメリットを考えた上でデザインを検討することをお勧めします。なぜならデザインは見た目だけではないからです。

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