デザインの制作過程は、公開されずブラックボックス化されていることが多いので今回はロゴができるまでを公開します。

この度お受けしたロゴと名刺のデザインは Crazy Consulting & Creative 様。
これまで年間予算5,000円で250万円の収益を出して、保育園を事業再生したり、他にも、1万円の予算で整骨院の売上を倍増させるなどコンサルティングの実績を残されています。

事業内容は売り上げアップの戦略立案のコンサルティングから企画や制作のクリエイティブまでワンストップでサービスを行っています。

まずはヒアリング

ロゴデザインで最も大事なのはヒアリングといっても過言ではないと思います。ロゴの形(アイデンティティ)を作るのはこのヒアリングの会話で得られた内容になります。この部分でコミュニケーションがずれたものになったり、お互いに納得が得られていないと直感だけで作った内容の薄いものになります。

ロゴはその会社を印象付けるもので、人間でいうと人となりになります。どんな思いで事業を立ち上げたのか、将来どんな方向に向かおうとしているのかなどを伺っていきます。当然いきなりこんな話をすると回答に困ることがありますので事前にヒアリングの内容をお送りします。

ヒアリング内容

  • 事業を立ち上げた経緯
  • 事業名の由来
  • 事業の目標は何ですか?
  • 事業の特徴、どんな会社(事業)にしようと思いますか?
  • 競合のサービスや企業はどんな会社がありますか?
  • 第三者にどんな風に感じて欲しいですか?
  • etc

得られた内容をもとに、情報を整理していきます。私の場合、ロゴデザインの時は依頼者様のデザインの方向性(好み)を割と多く取り入れることが多いです。
理由としてはロゴデザインは依頼者様のモチベーションに直接繋がるためです。
このモチベーションが今後の事業の売上にもつながりますので、依頼者様の方向性(好み)を取り入れられる部分は取り入れデザインを行なっていきます。

情報の整理

ロゴラフイメージ

お話を聞いていく中で、どんな方向性が良いのかどこにポイントを置くべきか見えてきました。今回の場合、屋号にもある Crazy が最もポイントを置くべきところでした。ただこれをそのまま表現して、本当にクレイジーなままに見られても信頼してもらえない為、更に Crazy について詳しく聞いていきます。

詳しく聞いていくと Crazy は変わり者や熱狂的な情熱を持った人。ルールに囚われずに人とは異なるモノの見方ができ、その考え方は一般的な考え方とは「逆」方向だったりするから「変わり者 = Crazy」と呼ばれる事が多い。でも時代を変えるのはそんな Crazy な人。

それが Crazy という屋号の由来。
しかしながら Crazy 感を表現しつつも売り上げを上げるコンサルティング事業なのである程度「信頼できる」ものは必要。つまり相反するものをデザインに落とし込まないといけません。

方向は見えたもののデザインへの落とし込みが大変でした。

デザインコンセプトの作成

Crazy は別な表現で例えると「変わり者」ということ。ただ「変わり者」だと取っつきづらい印象になるので「親しみやすさ」を加える事で取っつきづらさを和らげる。また、事業内容がコンサルティングという事もあるので知的な印象も加える様にしました。

そしてできたデザインコンセプトが【親しみのある知的な変わり者】でした。

ロゴデザインの作成

ロゴ制作イメージ

ヒアリング時に Crazy Consulting & Creative 代表の小川さんから「キャラクター的な感じのロゴがほしい。クレイジーの代表格のアインシュタインの舌を出している感じとか一般的な見方とは違うモノの見方をしている感じが良い」という所にこだわり感じられたのでここが生かせるようにデザインパターンを作成しました。

crazy consulting creativeロゴイメージ
ロゴのフォントや文字の間、太さ、入れる位置、改行位置、色味など検証していきます。ロゴはパッと思いつきでパッとできるみたいな形で思われるい事が多いのですが実は、こうして細かいところの微調整をなんども比べ検証し、小さくても利用できるのか、大きくても問題ないかなど試行錯誤して作ります。

ロゴデザインの提出

こうしてできた初稿の案がこちら。

ロゴ初稿イメージ

変わり者を表現し奇抜な感じを出すために、色味はあまりコンサルティング業界では使われない紫を青と緑のグラデーションに入れています。知的な感じもしつつ奇抜な感じが今回のコンセプトにあったからです。
トーンも落とすと落ち着きのある雰囲気になるので敢えて明るめのトーンにしています。

メガネで舌を出しているのは舌は前述の小川さんのこだわりから。
メガネは知的な印象でもあり、人と違うことをすれば非常識な変わり者として色眼鏡で見られるというコンセプトを錯視で入れれないかと思いメガネと鼻の部分が Crazy Consulting & Creative の「C」を3つ入れています。

最終デザインになるまで色々とコミュニケーションを繰り返して作られたボツ案はこちら

クレイジーコンサルティングアンドクリエイティブロゴボツ案イメージ

そして納品

最終的なロゴはこちら。

白背景完成ロゴイメージ
黒背景完成ロゴイメージ

代表の小川さんにも喜んでいただきデザイナーとして非常に嬉しい限りでした。

私個人も今回の様な奇抜なデザインはあまりない為、当初は難しそうだと思っていましたが、これまでにないデザインができたのでとても楽しくデザインできました。
何より小川さんとやりとりをしていて「デザイナーに任せる部分は任せる」とデザイナーとして信頼していただいているのが感じられとても嬉しかったです。