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「100円のコーラを1,000円で売る方法」の著者が新しく書き下ろした本です。
「100円のコーラを1,000円で売る方法」と同じくストーリー展開でビジネス戦略を作ることがわかりやすく記載されています。

印象に残ったのはバリュープロポジションを作る時の考え方。
本書では何度も「自社らしさ。自社の強みにフォーカスするところから始める」という事が書かれています。
実際、バリュープロポジションを作る時に最初に考えるのは自社かユーザーか迷うところなのですが本書ではまず、自社の強みを考え抜くこと。そうでないとユーザーのニーズを理解しても、すぐに真似され差別化できないという事が書かれています。

他社の事はわかりやすくても、自分の事なると見つけにくい。
これをどう見つけやすくするのかがポイントだと思います。
「評価は自分でするものでなく他者がするもの」これと同じで自分でなく他者から見てもらうというのが客観的で手軽に得られやすいものかと思います。もちろん、あくまで外部に発信できている情報のみでの見方となりますが。

製品は3つのレベルから成り立つ

本書では製品と記載されていますが、サービスにも同様の考え方が適用できると思います。

  • 中核
  • 実態
  • 付随機能

本書ではスポーツクラブの例で下記の様にまとめています。

中核

ユーザーが本当に買っているのは何か?
→健康で若々しいライフスタイルを獲得すること

実態

実際に提供されるものは何か?
→スポーツ施設

付随機能

完全な価値を提供するために必要なものは何か?
→健康維持のためのマンツーマン指導。高齢者向けのトレーニング

よくあるのは「実態」を、ユーザーが本当に買っているものと思い違いをすることかと思います。
実態はあくまで手段で、中核がユーザーの目的となる部分で実態だけに目を向けると誤った意思決定になることが多くなるのだろうと感じました。

アンケートでユーザーの要望を聞こうとしない

いつも自戒しているのですが改めて本書でも記載されていました。
アンケートで応えられたものを機能やサービスに追加しても、利用されないことがほとんど。
本書では機能が付け加えられ、結局使いもしない機能のボタンでいっぱいになったリモコンの例が記載されています。
あくまで指標として以前はこうで今はこういう結果になったという使い方が良いかと個人的には思います。

所感

全体的に戦略の立て方がわかりやすく記載されている本でした。
ストーリー展開で書かれているので親しみやすいというのもあり、「どうなるんだろう?」と続きを読みたくなりサラッと読み終えた実感があります。
また、セブンイレブンのコーヒーが実は30年もかけて今あることや、ブルーボトルコーヒー、スターバックス、UCCの缶コーヒーの歴史など事実を基に作られていることもあり、これがわかりやすい要素でもあるのかと思いました。

amazon:戦略は「1杯のコーヒー」から学べ!