自分が考える良いデザインというのは、作ったデザインに対してデザイナーがしっかりと目的や戦略を考慮して意図をもって説明できることが良いデザインだと思います。

悪いデザインとは?

では悪いデザインはどうかというと、デザインの意図が説明できない。説明できても意図の部分の考えが浅かったりします。
考えが浅いというのは目的に沿った意図でなく、例えば「ボタンを押しやすくするために大きくしました」「ご年配の方がターゲットなので文字のサイズを大きくしました」「シックでシンプルなデザインに仕上げました。」などなど。
これらは目的云々というよりも、デザインを作る上で当たり前で最低限の事です。

なぜ悪いデザインは堅実なデザインレビューができないか?

例えば目的や誰がユーザーなのか、どういった背景でサービスを利用するのか且つシナリオがないとデザインレビューに対する道筋ができません。
これがないと戦略や目的に沿ったデザインができるはずがありません。
こういった前提の骨組みがないとレビューする側は思いつきや主観で批評し、そのやり方にも一貫性がありません。
そのせいで何が有効で何が有効でないか判断する事がむずかしくなり、結局はデザイン上の判断に影響を及ぼし最終的には声の大きな人の意見を反映するといったものになります。

レビューに対する骨組みがないと、ほとんどが「もうちょっと○○した方がいいかも」で終わります。
大事なのは「なぜなら〜○○」だからといったなぜならといった形でレビューができる様にする事です。

堅実なデザインレビュー(良いデザイン)をする為にはどうすればよいか?

前述にもある様に下記の「デザインレビューに必要なもの」を決めます。
見ていると「あれあれ」と思うかもしれませんが、この必要なものはデザイナーだけでなくプランナーやエンジニア、ディレクター、プロジェクトメンバー全てのメンバーに関わる事です。これながないとプランナーは適切な提案ができないですし、お客様の言われたものをただ作るといった状態になります。
つまり、プロジェクトの初期の状態でこれは必要になります。且つお客様とコンセンサスを得られながら進められると手戻りは大きく減少します。

デザインレビューに必要なもの

  • 目的
  • ペルソナ
  • コンテキスト
  • シナリオ

そしてこれをレビューする人へ共有します。この内容を前提にレビューをもらわないと主観的なものになりやすくなります。

デザインレビューする側の見方

下記を考慮してデザインレビューを行います。

  • デザインの目的は何なのか
  • 目的に関連しているのはデザインのどこか
  • それは目的を達成するのに効果的なのか?
  • それはなぜか?

自分のデザインが何に貢献するのか?誰の、どういう体験をどうよくするのか?を考えてデザインすることが大事

結局デザインやサービスとか何でもそうですが、良くして行こうと思えばユーザーを深く知る事が大事です。そのユーザーを深く知ってデザインする事がUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインと言われるもの。
見た目の部分で終わるデザインでなくユーザーのコンテキストや体験を考慮してデザインする事は今後ますます重要です。
なぜなら、デザインでもROI(費用対効果)を問われる事が多くなってきていて効果が上がる前提でデザインを求められる機会が多くなってきているからです。
この流れは変わらないし二極化するのかと思います。ROIのデザインよりも、とりあえず見た目だけそこそこ綺麗に安くデザインするものとROIを問われるデザイン。ただ言えるのは前者のデザインしかやらない企業のデザイナーはスキルは上がらないし、それこそ多くのテンプレートデザインや機械にとって変わられるでしょう。